「痛い!パパ、痛いよ」


そう言いながらも顔は笑っている。
桜にとっても奈桜と青い空の下で思いっきりじゃれあえるのが嬉しい。


「パパ?」


可愛らしい表情で首をかしげる。


「ん?」


「パパ、大好き !」


桜の満面の笑みが奈桜を真っ直ぐ見つめる。
奈桜にとってこれ以上の幸せな言葉はこの世に存在しない。


「パパも桜が世界で1番好きだよ」


揺れる向日葵と高い空と麦わら帽子。


奈桜の日常は、娘の桜無しでは成り立たなくなっていた。