「何もねぇぞ」


家に戻った奈桜は冷凍のエビピラフをレンジで温め、碧に出した。
冷凍モノとはいえエビのほんのり甘い匂いと、バターの匂いが部屋に溢れる。


「上等、上等」


美味しそうに碧が勢いよくガッつく。
奈桜が自分の分を温めている間に、もう食べ終わっていた。


「奈桜、これからどうするつもりなんだよ?」


大きな鋭い目が奈桜の心の底を読むように見つめる。


「どうって…。どうもしない。っていうか、どうにもならないだろ?」