パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「あ…」



奈桜の目がみるみる涙で覆われて行く。
くちびるが震えて声にならない。
全身が小刻みに震え、倒れそうになる。
拍手は会場全体に広がり、やがて口々の応援コールから『奈桜コール』へと変わって行った。


「あ……ありがとうございます!」


泣き声で絞り出すようにやっと言った。
頭を下げて、そのまま泣いている奈桜に泉たちが思わず駆け寄る。
5人は奈桜を中心に並び、互いの腰に手をやると客席に向かって深々と頭を下げた。


心から感謝して―