パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「うん…」


泉もじっとこの空間を見入る。コンサートの本番自体も素晴らしいが、この、寸前の作り上げられる瞬間が1番感動するかもしれない。
物言わぬこの空間に圧倒される瞬間…。
人の手によってひとつの新たな巨大な空間が出来上がり、今からそれをたくさんのファンの子たちと共に最高なモノへと完成させて行く。


気持ちが高ぶる。


「これだけの人とハンパない金とみんなの想いが動いてる…」


「うん。一大プロジェクトだよ。オレたちはみんなの想いを形にする、最後の演者だな」


奈桜の言葉に泉も静かに答える。


「何か言いに来たんだろ?」


前を向いたまま、ちょっと厳しい表情で奈桜が聞く。