パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「好きなんだろ?本気なんだろ?何だよ。撮られたくらいで別れてどうすんだよ。そんな事してたらオレら、一生結婚なんて出来ないだろ!!」


碧は奏に押さえられながら、泉に強く言った。
泉は何も言わない。
誰も何も言えない。
好きな人がいても、結婚なんて夢のまた夢。
彼女が出来ても先が見えずに去られてしまう。


そんな経験をみんなしていた。


奈桜は泉に近付くと、肩を抱いてそっと体を起こした。


「ごめん…」


「大丈夫だよ」


うなだれる泉の肩を軽く叩いて笑った。


「別れて…ほんとにいいの?」


タロットカードを並べながら心が落ち着いた声で言う。


「何か隠してる事あるね。…言わなくていいけど。いや、これは言えないか…」


カードを読みながら心は淡々と喋る。


「何隠してんだよ?」


碧がまた食ってかかる。


「何もないよ」


泉はうつむいて呟いた。