「はぁー」
大きく伸びをすると、梓は夜空を仰いだ。
チラホラ見える小さな輝き。
「北斗…七星」
しばらくじっと見つめた。
奈桜が好きだった、星座。
あの頃と変わる事なく夜空に横たわっている。
「奈桜…」
視線を落とし、周りを見る。
夜の公園は静か。
握ったブランコの持ち手がひんやりとして気持ちいい。
この間ここに来た時は奈桜がいた。
心がちょっとだけ寄り添ったようで嬉しかった。
何も触れ合わなくてもいい。
気持ちがそこにあれば…。
その時だけでも、そこにあれば。
「奈桜がパパだなんて…」
クスッと笑った。