パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「騙してなんていません。少しでも早くお会いしたかっただけです」


体をゆっくりと神川と反対の方へ避け、腰の辺りで停滞しているその手を空へ離させた。
フッと神川が笑う。


「話があるから。ちょっと待ってて」


女癖が悪い事で評判のプロデューサー。
食われた女優やアイドルは数知れず…。
確かになかなかのイケメンで、中年の渋みも加わりかなりカッコイイ。
わざわざ寄って行くオンナもいる程だ。
神川は食堂に入って来た女性と何か話すと走って戻って来た。


「お待たせ。会議室が空いたから。行こう」


さっきまでのイヤラシイ笑みは消え、キリッとした仕事のデキル男の顔になっていた。