パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~


「ごちそうさまでした」


口々に言いながら、数人の男性がゆっくりと席を立つ。


「社員食堂もたまにはいいだろ?美味いし、今、流行りだしな」


「うちの食堂も本出したらどうですかね?」


「オレがプロデュースしようか?」


「神川さんがプロデュースしてくれたらヒット間違いなしですよ」


「じゃあ、このドラマが終わったらやるか?」


神川が笑いながら立ち上がろうとした瞬間、他の男性たちが息を飲んだ。


「み…水無瀬 梓…だ」


神川の席の後ろに華やかな大輪の真っ赤なバラのようなオーラを放って、梓が立っていた。
そこに居るだけで眩しい。
『女優』


「お久しぶりです。神川さん」


黒いワンピースの胸元で、ダイヤのネックレスがキラッと光った。