パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

しばらく車内は静かだった。
梓は外を見たままで青木は何も喋らない。
そんな梓の様子を見て、奈桜との大体の関係が想像出来た。
青木はこういう事には敏感だ。


「そうだ。梓さん、またドラマのオファーが来てるんですよね。再来年の1月のドラマなんですけど。結婚してるのに元カレと再会してまた恋に落ちるっていう。ありきたりなストーリーです。撮影、ちょっと映画と被るんですよね。どうします?日読テレビなんですけど」


意味深な口調で青木が言う。


「日読テレビ?」


「はい。神川プロデューサーです」


梓の顔色が一瞬で変わった。
青木はそれすら見逃さない。


「どうします?神川プロデューサーと連絡取ってみますか?」


梓はキリッとした表情に変わりミラー越しに青木を見る。


「了解しました。早速連絡取っておきますね」


車は予定の時間よりも少し早くスタジオに着いた。