パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

ただ…衣装だけは誰も着替えていない。
心の衣装も奈桜の衣装もちゃんと用意してある。
準備は……出来ている。


「お願いします」


スタッフの声に空気が張る。




「お待たせしましたぁ!」


「奈桜!」


「おせぇよ!」


「良かったぁ~」


「デビューが飛んだよ」


泉、碧、奏、心の目の前には肩で息をしながら必死で呼吸を整える奈桜の姿があった。
髪はぐしゃぐしゃで、まるでフルマラソンを走りきったかのような疲れ方だが、その表情はイキイキと輝いて見えた。