パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~



「奈桜さん、間に合いません!」


かなり遅れてる上に、渋滞に巻き込まれて車が動かない。
石田はハンドルを拳で殴った。


奈桜と社長、専務、木下マネージャー、石田の5人の話し合いは予想以上に難航した。
まず、どこから漏れたのか奈桜が七海の子供の父親だという噂。
これが事実であった事が社長たちをどん底へと突き落とした。
そして、神川プロデューサーからの揺さぶり。
もう、すぐそこまで来ているマスコミの手…。


八方塞がりになったのZ。


木下マネージャーは神川プロデューサーとの約束をずらして、話し合いは延々と続いた。
解散、脱退、引退…
言葉こそ出たが、どれも事務所にとってもZにとっても得策とは言えず。
ファンの子たちを1番傷付けない道を選ぶべきだと…。
Zはファンあっての存在で、今の人気は全てファンの力。
どんなに自分たちが頑張っても、支えてくれるファンがいなければ光りの中へ入る事は出来なかった。


支えてくれるファンの為に選ぶ道…



「オレ、走って行く」


奈桜は車から降り、颯爽と走り出す。
その姿は一段とカッコ良く、石田は返事も忘れて見とれた。


「奈桜さん、Zは簡単につぶれません!」