パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

奏は頭が膝につく位、下げて謝った。
みんな複雑な顔で奏と奈桜を見る。


「それに『誰にも言わない』ってリハの時に言ったのに、言っちゃってごめん!」


「お前、奈桜に言ってたのかよ!信じらんねぇな」


心が情けない顔をして窓の外に目を移した。
灯りが花のように夜の闇に咲いている。


「頭、上げてくれよ。…悪いのはオレだろ?オレはみんなを騙してた。これは最大の裏切りだよ。…アイドルがパパだなんて。聞いた事ないよ。オレは…謝る事しか出来ない。……本当にすみませんでした!」


床に頭をつけて奈桜が土下座する。
何も考える余地はなかった。
ただ、謝るしかない。
きちんと心からみんなに謝りたい。
そう思っていた。


「奈桜は…奈桜は悪くない!」


いきなり碧が立ち上がり、奈桜の横に来た。


「オレは全部見て来た。あの女が一方的に預けて行ったんだ。そうだよ。奈桜は何も知らなかったし、無責任でもない。文句ひとつ言わず、男手ひとつでこの2年、桜ちゃんを育てて来たんだ。この2年の忙しさはみんなも知ってるだろ?奈桜は…みんなを騙してたかもしれないけど、一生懸命生きて来た。悪いけど…、悪くない!コイツを責めるなら最初から黙ってたオレを先に責めてくれ!」


必死の形相の碧が奈桜の横で土下座した。