パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

奈桜の心臓は有り得ない程早く打ち、立っているのもやっとなくらいに頭はふらついていた。


「あぁ、ごめん。知ってた」


泉が笑いながら軽く言った。
神妙な顔で言うと、どこまでも重くなりそうな話題だったから、わざと軽く。


「パパなんでしょ?」


サラっと言う心の方を素早く奈桜が見る。
『パパ』というフレーズにやはり過敏に反応してしまう。


「そう…。そう…なんだけど。何で?…えっ?何で知ってるの?何で?」


狐につままれたような顔でみんなを見る。
その目は少し潤んでいるようにも見えた。


「みんな知ってたの?」


碧の質問に泉と奏と心は声を合わせて『うん』と頷いた。


奈桜はへなへなと座り込んで頭を抱えた。