パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「奈桜さん!」


石田が走って奈桜を追いかけて来た。
近くまで来ると泉に向かって『おはようございます』と丁寧に挨拶する。
泉は爽やかに微笑みながら挨拶した。
ほのかに石田の頬が赤くなる。こんなイケメンに至近距離で微笑まれたら、一瞬、自分の立場を忘れてときめいてしまうのも仕方ないだろう。
なんせ相手は日本中の女の子たちを虜にしているイケメン集団の1人なんだから。


「あ……、奈桜さん、先程の話の件なんですが…」


思わず頬を赤らめた事を恥ながら奈桜へと向き直り、いつもの真面目一色の表情へと戻した。


「オレ、先行くわ」


にっこり笑って軽く手を上げ、泉が先に行った。


「あの、先程の話、具体的に奈桜さんに話が来ているという事ですか?それならそれで私もきちんと対応しないといけないので詳しく教えてもらえますか?あの…、どこの局ですか?誰から?」


手帳を取り出し、書く準備も万端だ。


「あぁ…」と奈桜は少し口ごもった後、意を決したように口を開いた。


「日読テレビ。神川プロデューサーだよ」


「日読…?神川って…まさか、…奈桜さん、うちが蹴ったドラマの話じゃないですよね?」