パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「……さん?奈桜さん?」


「えっ?」


ぼんやりしていた奈桜は石田の呼びかける声にようやく気付いた。


「大丈夫ですか?すみません。キツいスケジュールが続いて」


奈桜がぼんやりしていたのは連日の強行スケジュールのせいだと石田は思った。


「あ…いや、あ…そうかな?ちょっと睡眠不足かな?悪いけど水を買って来てもらえる?」


『要りませんから』と言う石田に無理矢理お金を渡す。
急いで走って行く石田とは反対に、奈桜はゆっくりとシートに体を埋めた。


「これで道は決まったな。後は進むだけだ」


見えない包囲網が張り巡らされて行くおかげで、奈桜の決心は揺るぎないものとなっていた。