「えっ?あ…はい。決まってます。あぁ、もうすぐクランクインです。ポスター撮りや衣装合わせでまた忙しいですね」


いきなり話し掛けられて石田は驚いたが、奈桜から話し掛けてくる事は滅多にないのでちょっと嬉しそうに答えた。


「それさぁ、やめて、別のドラマに出るって無理かなぁ?」


「ご冗談を…」


間髪入れず、笑い飛ばす。


「いや、マジで。他にやってみたいドラマがあるんだ」


「勘弁して下さい。つまらない冗談は時間のある時にお願いします」


もう1度畳み掛けて来た奈桜に石田はピシャリと言ってのける。


「冗談じゃないよ。なんならさ、2つドラマに出るってどう?インパクトもあって良くない?」


石田の冷たい態度に奈桜は食い下がる。