パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「はぁ?何て?顔だけじゃなくて頭もボケてんの?」


「ボケてんのはお前だろ」


「何ですって?」


今にも襲い掛かって来そうな勢いで七海が近付いて来た。


「桜は普通に、普通の女の子と同じように育てる」


奈桜は冷静に答える。


「バカじゃないの?私と奈桜の子よ?その時点で普通じゃないでしょ?天才子役と言われた私と、国民的アイドル『Z』の奈桜の娘よ。分かってる?」


「それがどうしたんだよ。それはオレたちの職業であって、桜の将来には関係ない。…絶対、関係あっちゃいけないんだ」


奈桜の落ち着いた態度が七海を余計に苛立たせる。


「大体…、普通の女の子って何よ。私は普通じゃないって言うの?」


怒りの矛先が微妙に変わって来ている。


「落ち着けよ。誰も七海を否定している訳じゃない。桜には学校に行ったり恋をしたり、普通の子の自由を味わって欲しいんだよ。将来は自分で決めればいい。自分で決めたい時に自分で…」