パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「じゃあ……場所は…」


「いつもの場所で待ってる」


七海の声が奈桜の声に重なった。


「…分かった。仕事が終わったら電話する。多分、今くらいの時間になると思う」



「もう1回、惚れさせてあげる」


七海の笑う声がして電話が切れた。
奈桜はしばらく携帯画面を見つめた。


「番号…変わってなかったな」


待受画面の桜が可愛く笑っている。


「相変わらず元気そうだよ。……ママ」


重い気持ちを桜の笑顔が吹き飛ばして行く。


「絶対、上手く行く」


携帯を閉じるとそのままソファーに横になり、目を閉じた。
深い深い眠りの中へ吸い込まれるように…