パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

ほんのわずかな間にさえ、お互い相手の出方を探っている。


「あのさ、いつまでこっちにいる?」


奈桜が本題に入る。
長々と世間話をする理由もない。


「しばらくいるわよ。デートならいつでもオッケーよ。ホテル来る?」


「…変わってないな」


奈桜が笑った。


「え?誘ってたんだけど。桜のパパじゃない。もう1人くらい生んであげてもいいわよ」


こんな言い方をするのは、実は七海が奈桜に対して照れている証拠。
それくらい、奈桜も分かっていた。


「明日、会えるか?」


「いいわよ」


七海のさっきまでとは違う、落ち着いた声が耳に染みて行く。