藤のカゴに可愛いハートのナプキンを敷いて、ハート型のクッキーがたくさん入っている。
「全部ハートがいいって。女の子ねぇ」
奈桜はひとつ取った。
「うめぇ」
優子はその姿を見て微笑む。
それは普通の父親の姿だ。
「今日…ごめん。予定あったのに」
奈桜は優子が高校時代の友達と2年ぶりに会うのを楽しみにしていた事を知っていた。
それなのに自分の都合で行けなくさせてしまった。
断れない相手に頼み事をするのは1番卑怯だ。
それも分かっている。
いつまでたっても親に甘える自分が情けない。
「仕方ないでしょ。仕事なんだから。オンナと遊んでた訳じゃないし。これでも子持ちアイドルの母ですからね。急用が多いのは覚悟の上よ。ほんと若くして奈桜を産んどいて良かったわ。まだまだ動けるし。保育園のお母さん達には、母さんが母親だって思われてるんだから」
優子はちょっと自慢げな顔をしてお茶を煎れる。
若く見られてまんざらでもないらしい。
「全部ハートがいいって。女の子ねぇ」
奈桜はひとつ取った。
「うめぇ」
優子はその姿を見て微笑む。
それは普通の父親の姿だ。
「今日…ごめん。予定あったのに」
奈桜は優子が高校時代の友達と2年ぶりに会うのを楽しみにしていた事を知っていた。
それなのに自分の都合で行けなくさせてしまった。
断れない相手に頼み事をするのは1番卑怯だ。
それも分かっている。
いつまでたっても親に甘える自分が情けない。
「仕方ないでしょ。仕事なんだから。オンナと遊んでた訳じゃないし。これでも子持ちアイドルの母ですからね。急用が多いのは覚悟の上よ。ほんと若くして奈桜を産んどいて良かったわ。まだまだ動けるし。保育園のお母さん達には、母さんが母親だって思われてるんだから」
優子はちょっと自慢げな顔をしてお茶を煎れる。
若く見られてまんざらでもないらしい。

