「おぉ、おはよう!」
リビングに入って来た桜に奈桜が元気良く声をかける。
「おはよう。パパ、今日は早いね。………あぁ!ホットケーキだぁ!」
眠そうな顔で起きて来た桜だったが、テーブルに並べられた可愛らしい花柄の皿にのせられた出来立てのホットケーキを見るなり、笑顔が咲いた。
バターが熱さでトロリと溶けて今にもホットケーキの端からこぼれ落ちそうな感じは、子供の桜でさえ食欲をそそられる。
「パパのホットケーキだ…」
「そんなに見つめたらホットケーキに穴が開くぞ」
大きな目で嬉しそうに眺める桜に奈桜は目を細める。
「穴が開いたらイヤだ」
「じゃあ早く手を洗って、顔を洗って、歯を磨いて来い」
笑って桜を促すと、奈桜はしみじみと幸せを感じた。
『この日常が…幸せなんだ』
と………

