パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~

「Zの雨宮 奈桜です」


「奈桜?いやぁ、待ってたよ。多忙な所、悪いねぇ。本当なら直接会って話したい所なんだけどね。寝る間もないくらい時間がないそうだから。国民的アイドルだもんなぁ」


奈桜はその言い方に悪意を感じた。
そしてそのまま、神川に喋らせた。


「『出来るだけ手短に』と、あのキツイマネージャーに言われちゃったからね。有名だよ。奈桜のマネージャー。前にチラッと見かけた事あってさぁ。あの女史、メガネが似合ってるよねぇ。彼氏いるのかなぁ~。ちょっと冷たい態度がイイよねぇ~。そそられるなぁ~」


神川はわざと話をじらすように、本題に入らない。


「あの……」


イラついた奈桜が口を開く。


「あぁ、悪い。悪い。つい話が逸れてしまった。綺麗な女性には目がなくてね」


奈桜は電話を切ろうと耳から外しかけた。


その様子が見えたかのように神川が慌てて本題に入る。


「次のドラマの主役をやってもらいたい」


声のトーンが低くなり、真面目な口調になった。