植田はしばらく黙って、それから立ち上がった。 「…これ。あげるから」 そう言って、持っていた袋を俺に押しつけた。 その顔はさっきまでとは違って、いつもの植田に戻ったようだった。 「感想あったら、メールして」 「は?感想?」 植田はそれには答えずに走り去ってしまって。 俺はその袋に入っていたものを取り出した。 「…弁当、か?」 袋の中身は、弁当。 植田が食べる量とは思えない。これはきっと、‘俺’の為に作ってきたんじゃないのか? 「…これ、食っていいんだろうか…」