憂いの塔





「じゃあ掃除くらい手伝ってよ」


淳子は娘の紗江子を睨むようにして言った。



紗江子は相変わらず淳子を見ようとしない。



「やだ。ってか、こんな陰気臭い民宿なんてやってないで
もっとパーッとした仕事無かったの?」


その言葉に淳子の眉がピクリと動いた。



「『民宿 ねこた』はね、今で五代目なのよ。
このまで繋げてくれた『猫田家』のご先祖に感謝しなさい。」


嗚呼、また始まった。


紗江子は心の中で舌打ちしてやった。



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