雨霧は違う。

とても自分が悪者に思えて…
彼女を傷つけてしまった…
と思った。


「哀しい」

と思った。


そしてゆっくりと準備室の壁にかけられている時計を見る。

もうすぐ…来るか…。

そう思うと同時にドアをノックする音がする。

さて、愛想よく生徒を迎えて一緒にさっさと用意しよう。

そして早く教室へ戻ってもらおう。

俺は机の上に置いてある資料を片付けながらそう思った。