そんなに先生のことが好きならどうしてあのとき拒んだのだろう。
どうして…。

本当に木村くんの言う通りだ。



そして一冊のノート。
アタシはいつも先生がメモに使っていたノートを見つけた。

先生の文字、だ。


たくさんの化学式や解説…
先生の右上がりの文字。

アタシは指でそっとなぞる。



そして目に入った言葉。

「7月1日
いまさら、
雨霧のことを愛している。
そして
どこにいても雨霧の幸せを祈っている」


そうノートに走り書きされていた。