振った手を白衣のポケットに入れて管理棟にある化学準備室へ行こうとしたとき雨霧が俺を見ていたのに気付いた。 どういう思いで…? ついこの間、 一緒に駅まで帰ったというのになんだかそれすらもうずっと昔のことのように思える。 彼女は今、 何を考えているのだろう。 俺のことを見ている彼女、 でも今、雨霧と一緒にいるのは木村だ…。 どうしようもなくてどうしたらいいのかわからなくて目を伏せて背を向ける。 俺じゃ、ないんだ。 彼女には。