「どうして? 先生は申し分のないくらいにいい先生だろ? 俺から見たってそう思うのに。 それに先生のほうも時々オマエのこと見てるだろ? 同じように複雑な表情で。 先生があんな顔するのってオマエだけに対してだけじゃないのか?」 木村くんのブラウンの瞳がアタシをじっと見つめる。 この人…わかってるんだ。 誰もわかってないと思ってたのに。 誰からもそんなこと指摘されたことなかったのに。 どうしよう。 なんて答えたら…。