明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。


そう自分を言い聞かせてないと。

何も事態は変わってはいないのだと。


先生と1階へ降りる階段のところで別れて昇降口へと向かう。


あたりはほとんど生徒たちも帰り残っているのはクラブ活動も終わって片づけをしている生徒たち。

靴も履き替えて正門へと向かう。


少ししたところでアタシに気付いたジャージ姿のコが駆け寄ってきて言った。

「あ、葵じゃん、
今日遅いね?帰り?」

「うん」

「結衣は?」

彼女はラケットで軽く素振りをしながら聞く。