「何を謝るの? さ、始めよう」 彼は席に戻りノートをひろげてアタシにも早く席に着くように促す。 今のアタシの態度を彼は変に思っただろうか。 知られちゃいけない。 アタシがいつまでもこうして鍵なんか持ってるから一歩も踏み出せずにいるんだ。 そして 「うん」 そうアタシは精一杯の笑顔で彼に応える。 もう…先生に鍵を返そう。