すると木村くんの手がすっと伸びてきてアタシよりも先に鍵を取った。 アタシの…! 先生の…鍵…! 「どうしたの? 困惑した顔してる。」 木村くんは心配そうな顔をして私に聞く。 ハッとするアタシ。 「そんな顔しなくても取り上げないって。 …鍵返すよ?ハイ」 そう言って彼はアタシの手を取って手のひらに鍵をのせた。 「…ごめんなさい」