街の灯りは星のように光っているのに空には星がない。 そう、見えない。 雨霧のこころは… 今どこにある? 確かめるすべもない。 「なあ、 もし俺が別れてほしいって言ったらどうする?」 何気なく彼女に聞いてみた。 カクテルが入ったグラスを指先で持ってゆっくりと揺らしながら表情ひとつ変えることなく彼女は答えた。 「そんなのあるわけないじゃん、 龍之介はアタシのこと好きだから二度目だって受け入れてくれたんでしょ?」 自分に都合よく考えられるもんだな…。 俺は苦笑する。