------------------- 夕方になると日差しはやわらかくなる。 夏に近づいていっているはずなのにこの時間はやさしい。 そういえば 夕方の図書室ではじめて穏やかな表情の高篠先生を見た。 決して笑顔ではなかったけれど。 先生はあの少しの時間をどう思っていたのだろう。 アタシはあのときの出来事を思い出していた。 「なにがいい?」 木村くんの声で我に返る。 そうだ、 アタシ木村くんとライブ前にちょっと食事しようって…。 自分の今いる時間、 場所に意識を戻す。