彼女は俺を見るが何も答えない。 きっと彼女だけは俺のことを…。 他の生徒は俺のことを慕ってくるけれど彼女だけは…。 そう考えると雨霧を直視できない。 「何年か前に留学先で買った…大切な本なんだ」 なんでこんなこと、 彼女に言っているんだろう。 「そう…なんですか…」 雨霧はそう答えて本を大事そうにそっと閉じた。 そしてそのまま彼女はドアを開けて部屋を出て行った。