「まーいいけどねー」

そう言いながら彼女はアタシの前の空いている席に座る。

「あーそうだ、
葵、こないだ高篠先生がアンタのこと聞きにきた」

突然の結衣の言葉に理解ができなかった。

不思議そうな顔をしていたのか彼女は同じことを繰り返した。


「だから葵のこと聞きにきたの。
アンタのね、身辺調査?
ご両親のこととか…いろいろ」

先生が?
どうして?

「どうして…そんなこと?」

「そんなのアタシに聞いてもわかるわけないじゃん」

「うん…そうだね」