アタシは返せなかった鍵を席に着いて眺める。

「葵、それなんの鍵?」

結衣がやってきてアタシに声をかける。

「あっ…これは…
えっと机の…そう、
家の机の鍵なの。
間違えて持ってきちゃって」

「ふーん…」

納得したようなしないような返事をする結衣。

アタシ、最近結衣に秘密ばっかだね。

ごめん。


だって結衣、
アタシが先生の話するの、
あんまりいいように
思ってないような気がして。