翌日― 俺は森本に声をかけた。 いつも雨霧と一緒にいる…。 雨霧が一緒にいないその時に。 彼女がいたんじゃ聞けない。 「森本!」 「はい?」 彼女はカバンから何かを出していたがその手を止めて不思議そうな顔をして俺を見る。 俺は彼女の側に言って聞いた。 「…雨霧のことなんだが…」 「葵…ですか?」 「彼女の家族は…」