---from 龍之介--- 「アタシ、別れたのよね?」 「俺たち? 別れたじゃないか。 キミが愛想尽かして」 あまりにもどうでもいい話に彼女の顔を見ることもなく答える。 「違うわよっ! 龍之介じゃない、別の人! アタシはっきりわかったの。 やっぱり龍之介じゃないと…」 女は指で髪を遊ばせながらふっと笑う。 そして腕を伸ばして俺の背中に回す。 マニキュアを塗った長い爪。 きっと毎日、猫のように丁寧に手入れでもしているのだろう。