俺の大声に驚いた表情をする雨霧。

「あ…」

手を伸ばし彼女に近づく。

でも彼女は少しずつ後ずさる。


間違いなく怯えた表情をして。

「ご…ごめんなさい…。
アタシ余計なこと…」


「違…」

でも俺の声は彼女には届かない。

そんなつもりじゃないんだ。

泣きそうになるのを我慢して雨霧は声を振り絞って言う。

「失礼します…!」

それだけ言って彼女は準備室から出て行った。

その包みを机の上に置いて。