そしてハッとした。
そうだ、
あれは必要ないと処分したんだ。
それを…
まさか彼女が…見ていたのか?
俺には人からの贈り物なんてどうでもいい。
だから俺も人には贈り物なんてしない。
気持ちをモノに見立てて相手に渡してその気持ちを表現しようとする。
押し付けようとする。恩着せがましく。
煩わしいだけだ。
そんなもの、俺には必要ない。
そう思ってあのとき処分したのだ。
でもそれを雨霧が持ってきたということはやはり…。
彼女には知られたくなかった。
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