静かな図書室の中でまるで時間が止まったようだ。 この空間の中に、夕陽の中に2人だけ。 「…さん」 その声のほうを向くと司書教諭が彼女の本を持って戻ってきた。 「本がきたようだね」 現実に急に戻ったような感覚。 自分に言い聞かせるように彼女にそう言う。 「それじゃ…」 そして彼女に背を向けてカウンターから離れる。