「夕陽が…キレイですね」 彼女は図書室に差し込む夕陽に視線を向けて独り言のようにつぶやいた。 俺も彼女と同じ方に視線を向けて答えた。 「ああ…」 そこには向かい側の校舎にオレンジ色の夕陽が見える。 ゆらゆらと。 そう揺れて見える夕陽はまるで泣いているようだ。 キレイ? そっか。 まだそんなこと、思えるんだ。