明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。


俺は用事をすぐ終わらせたくてそのまま真っ直ぐにカウンターへと向かい声をかける。

「あの、山田先生から化学の参考書を取りに来たんですが…」


背を向けて本の整理をしていた司書教諭が振り返る。

「あ、高篠先生、
化学の参考書ですね?
ちょっと取ってきますから待っててください」


「お願いします」


そして司書教諭の顔を見たとき彼女は俺のほうを見てはいなかった。