うらやましそうに結衣が言う。

結衣は肩までの髪を指で遊ばせて口を尖らせる。

赤い唇は薄いルージュを差したように艶っぽくてキレイな赤だ。


それに比べてあたしは平凡すぎるくらいに平凡。

おしゃれにも興味ない…
なんて言ったら嘘になるけど。


でも
そういうの、できない。


「ねぇ、聞いてる?」

ぼんやりと結衣を見つめていたアタシに彼女が笑いながら言う。


「ああ、高篠先生…?
そうかなあ…」

あたしは今、
結衣と話していたことを思い出す。