そう思ったとき図書室の先生が私に気づいた。 「あ、雨霧さん? 本取りに来たの?」 「あ…はい…」 アタシは俯きながら返事をし そしてそっと顔を上げその白衣姿の先生を確かめる。 やっぱり…高篠先生だ。 先生のダークブラウンの髪が窓から入ってくる風に少し揺れて… そして先生は髪を手でかきあげながらアタシを見た。 無表情に。 アタシは頭を下げるしかなかった。