それまでは生徒なんて 「生徒」というひとくくりでしか見ていなかったけれど 2年2組の担任となり その「彼女」の存在を初めて知った。 「彼女」はそれまでの ひとくくりにしていた生徒とは違った。 俺は「彼女」が当番でないことを 祈りながら当番表を書いてあるノートを取り出す。 そしてノートにある日付と名前を見てため息をつく。 「やっぱり雨霧 葵か…」 ノートをパタンと閉じる。