電車案内のアナウンスが聞こえる。 「間もなく新町方面行きが参ります…」 そして暗闇からライトを照らし地下鉄がゆっくりホームに入ってくる。 地下鉄の風が大きく吹いたと同時に雨霧の姿が見えなくなる。 反対側にも地下鉄が入ってきたようだ。 彼女はあの地下鉄に乗るのだろうか。 もし…。 もし 乗らなかったら…? いや、彼女が乗らないなんて理由はどこにもない。