「そしたら… これで準備は終わったんで教室帰ります。 失礼しま…」 そう言って教室から出て行こうとする彼女の後姿を追いかける。 そして気がつけば雨霧に手を伸ばしていた。 俺よりも小さなカラダは捕まえることが容易だった。 一瞬で背中から抱きしめる。 …なんて…小さいんだ…。 「細いんだな…」 彼女の耳元で囁く。 抱きしめるまでは自分にも余裕があったはずだ。 なのに。