雨霧はこちらを振り向くこともなく準備を進める。

丁寧に、ひとつひとつ確認しながら。

早く、
ここから出て行きたい、

そう思っているのだろう。



薄暗い準備室。



同じだ…。


作業する手を止めて彼女の後姿をじっと見つめる。


薄暗くて静かな部屋はなぜか彼女にとても似合う、
彼女を見つめながら思った。