私は嘘で出来ている。

「浮気してるのかと思った」


「浮気?」


「京也君から乗り換えたのかなって」


詩乃がデザートのヨーグルトの蓋を剥がす。


「まさか」


そう言ってから、片想いも浮気になるのか考えた。


「まぁ、真昼は器用だから、やるなら浮気じゃなく二股かな」


「それ褒めてるの?」


「ううん、何でもこなして気に喰わないって言ってるの」


詩乃が悪戯顔でそう言った。